朝日新聞 5月5日掲載 (抜粋)
町内会などの集団回収に代わって、分別回収を始める自治体が増えるなどして、国内の古着回収量な96年の約20万トンが00年には約35万トンに増加した。ところが、逆に再利用は伸び悩み、結局、産業廃棄物として処分される量が増え続けている。古着の主な再利用法は、(1)工業用ウエスに加工する。(2)布を綿状の繊維に戻してフェルトや軍手に再生する。(3)中古衣料として再流通させる。ーの、3つ。リサイクルした場合と新しく製造した場合の環境への負荷を比較した調査では、再生品は消費エネルギーや二酸化炭素発生量が新製品の数分の1から30分の1以下。環境へのやさしさは一目瞭然だ。ところが、実際の再利用の用途はというと多くの工場が海外に移転したりフェルト原料として別素材が使われるようになったりで、ウエスや反毛の需要は減る一方。また、中古衣料の多くは東南アジア向けに輸出される。輸出量は90年の4万トン台から00年は8万トン台に増えたが1トンあたりの単価は10万円台から約6万円に急落。また、中国の輸入禁止が厳しくなったために、冬物が売れなくなった。
00年の衣料品の国内供給量は、約36億点で10年間で1.8倍に膨らんだ。一方、年間に排出される衣料品は、約100万トン。衣料品も含め繊維製品の再製商品化率は約10%で大半が焼却や埋め立て処分されている。