秘密の小部屋
ここまで見ている人は・・少ない!!
ここでは「山本パンダ」の裏側をすこ〜しだけお見せしましょう!!


ぼろぼろな駝鳥


何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
足が大股過ぎるぢゃないか。
頚があんまり長過ぎるぢゃないか。
雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。
腹がへるから堅パンも食ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかりを見てゐるぢゃないか。
身も世もないように燃えてゐるぢゃないか。
瑠璃色の風が今にも吹いてくるのを待ちかまへてゐるぢゃないか。
あの小さな素朴な顔が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか。
これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。

人間よ、
もう止せ、こんな事は。



日本詩人全集9高村光太郎/「道程」 猛獣編 新潮社より

ぼろぼろな駝鳥・・・有名な詩です。

僕は小学校の頃この詩を習って・・衝撃でした。今でも憶えていた程です。
でも・・大人になって色んな事を考えて周りを見渡して・・
駝鳥や飼育係、周りの動物達の「その後」を考えたりもします。

駝鳥は可哀想です。
駝鳥はその後檻を逃げ出してアフリカの草原に帰れたのでしょうか?
それとも檻から逃げ出して傷つきボロボロになってしまったのでしょうか?
生きる為に檻から逃げ出して幸せになれたでしょうか?
心は、もう天国に行ってしまったのでしょうか?
「これはもう駝鳥じゃない」かもしれないです。
でも・・そのぼろぼろな駝鳥自身は、駝鳥なのです。
アフリカに帰れずに四坪半のぬかるみでも・・
駝鳥が幸せじゃなくっても可哀想に駝鳥はそこでしか生きられないのです。
周りの檻には白フクロウやクマやキリン、パンダも居ます。
みんなもう故郷の野生には戻れないのです。
可哀想な動物達・・飼育係のオジさんも可哀相です。
だって飼育係のオジさんも動物が好きだから。
きっと・・こんな飼育係やめてやる!!ーと、思ったでしょう。
でも、みんなが好きだから一番嫌な看取ってあげる係を選択するのでしょう。
生きる物は悲しいです。切ないです。だから・・看取ってあげて下さい。
捨てるのにも勇気がいると思います。
でも看取ってあげる・・その苦しい道を選んで下さい。
飼育係のオジさんより長生きする動物もいると思います。
飼育係のオジさんも看取って欲しいのです。
人間のワガママで檻に入れられた動物達・・・
野生に戻れないから・・
生きるのが苦しいのです。切ないのです。

僕達も同じではないでしょうか???
だから・・笑顔で看取ってあげられる・・ように頑張っているのです。
だから・・僕は強くなくてはならないのです。
僕は脳天気でいつも楽しそうで・・みんなが好きだから・・
泣くのは看取ってから・・悲しむのです・・・。

家には猫が4匹居ます。もうカウントダウンの残りも少なくなってきました。
たまにはお別れが恐怖で眠れない日もあります。
でも・・だから辛くっても切なくても野生の猫に戻れないから
僕が強く生きて看取ってあげるのです。


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